建設原価管理ソフト(その4)

今回も施工管理アプリ・サービスから派生して建設原価管理アプリ・サービスについて、お話します。

前回は実務からみた原価管理の話をしました。今回は、機能面からみた原価管理についてです。

原価管理と経理・財務、人事との連携

以前もお話したように、原価管理は管理会計であり、経理や財務で行う財務会計、税務会計とは異なります。ただし、原価管理の精度をあげていくと限りなく財務・税務に近づいていきます。

別の言い方をすると、精度が高くないうちに経理システムや財務会計と連動させるとかえって大変になるということです。

原価管理システムとは言っても経理、財務機能をもった多機能なものもあります。給与計算との連動と事務方には魅力的な機能に見えますが、連携させることで入力精度や回数を増やす必要が出てきて省力化どころか現場から不満殺到という場合も少なくありません。

日報による作業時間だけでなく、工事評価を人事評価にも連動させるような人事系との連携もできるものもありますが、こちらも同様に注意が必要です。

営業系機能との連携

また、営業系機能として、見積管理、受注管理、請求・入金管理といった機能があります。こちらも営業内だけで回っている分には非常にいいのですが、見積をもとに実行予算を作成するとなると途端に問題が発生します。

見積は通常、見積単位が部位だったり、工事種別だったりするのですが、実行予算を実績と連動させることを前提とすると業者単位が理想です。

つまり、見積にばらまかれている材料系を全部集めて材料業者用に集計し、工事種別でも業者によっては、部分的に関わっているものや複数の工事種別を受ける場合があるので、その単位に集計しなおす必要があります。

最初の見積段階で細目レベルに分解した見積であれば、集計も楽なのですが、1行1工種のようなざっくりとした見積だと業者見積を探してきて分解し、さらに見積値引きを展開してと手間が相当にかかることになります。

工種が少なく、比較的自社でやる(直工部隊がいる)ことが多いような企業であれば、負担は少ないかもしれませんが、工事規模が大きく、協力業者を多数必要とするものや工種が多い工事を行う場合は気を付ける必要があります。

自社の原価管理レベルが高くない場合は、まずは原価管理の基本機能に絞ったものから初めて、徐々に営業との連携、経理・財務との連携、最後に総務・人事との連携とステップアップすることをお勧めします。

◆ガリバー匠
https://kensetsu-kaikei.com/takumi_lp.html

原価管理だけでなく、見積・請求・発注・給与・財務とお金に関する業務を網羅している基幹システム的なものです。JV管理もできるので、大規模工事でも対応できそうです。

◆JSI工事台帳lite
https://www.jsi-corp.com/kouji/

工事台帳という形で比較的簡易な原価管理ができます。弥生会計と連動できるので、工種が少なく、自社で工事を行うような場合には向いていると思います。

◆現場業務効率化システム『MIYABI』
https://www.nics-japan.com/miyabi/

実行予算から原価管理、支払管理までのできるシステムです。地場のゼネコンさんの依頼からスタートしているので同規模も企業だと使いやすいかもしれません。

◆原価管理システム[REVIEW-III]
https://www.arvamnet.co.jp/system/index.html

見積、原価、発注、仕入、支払いだけでなく、労務管理や重機車両管理、在庫管理もできるシステムです。基本モジュールにパッケージを追加するので自社のニーズに合った機能追加ができます。

◆LA-cPRO工事原価
https://www.lead-ltd.co.jp/solution/package/cost/

原価管理・予算管理を中心にオプションで財務・支払・注文・請求・売上・労務・手形・見積・JV・損料・資材管理ができる多機能なシステムです。

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