施工管理アプリ・サービス

今回は、現場の生産性向上に欠かせない施工管理ソフト・サービスについて、お話します。

まずは、最近の背景を少しお話します。建設業に限らず、日本の各種産業の生産性向上が言われて久しいですが、2024年問題で最近はさらに感心が高まっています。

2024年問題

2024年問題を簡単に説明すると時間外労働の規制が2024年4月より強化され、違法労働をさせた企業には罰金刑や懲役刑も科せられるようになりました。これによって、さらに人手不足が加速するとの話が2024年問題です。

働き方改革関連法と称していますが、労働基準法や労働安全衛生法等8つの労働法がまとめて改正されたということです。時間外労働の上限規制は労働基準法の改正で、これ以外にも年次有給休暇の取得や割増賃金率の引き上げ、労働時間状況の客観的な把握等が法律で決められました。

大企業が2019年から、中小企業も一部を除き、2020年から施行されていたのですが、自動車運転業務、建設事業、医師、一部地域の砂糖製造業が2024年からになっています。物流の2024年問題もこのことです。

遠隔臨場、現場IT環境の向上

さらに、新型コロナウイルスにより、接触機会を減らすために遠隔臨場(材料確認、段階確認、立会を遠隔で行うこと)が増えてきており、ウェブカメラやデジタルデータの現場利用が必須となってきました。当然、往復の移動時間もなくなるため、臨場のタイミングはとりやすくなり、効率化にも寄与しています。ネットワーク環境も5Gによる高速、大容量化や低価格の接続サービスの普及により、以前より利用しやすい環境が整ってきました。

このような形で、IT機器を現場に持ち込むことが増えてきており、それらを単に臨場だけではなく、施工管理の負担軽減に使いたいというニーズが増えてきたのは言うまでもありません。

施工管理に関する業務といっても内容は様々です。工程表の作成と共有、図面や仕様書の作成と共有、施工写真の撮影と整理、人員管理(手配と日報作成)といった基本的な業務や安全管理や品質管理、原価管理、工程管理、環境管理といった管理業務、さらに各種書類作成に、関係者への情報共有、協力業者との出来高確認、請求書の確認、材料業者への見積・発注や現場での受入といったものもあります。

全部を網羅するのは大変ですし、かえって使い勝手は悪くなります。現業と内業を分けて考えて、現業の支援に絞った形が望ましいと思います。

今回は比較的、名前をよく聞くアプリ・サービスを紹介します。

◆eYACHO
https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/

文字認識等で有名なMetaMojiと大林組で共同開発したデジタル野帳のアプリです。図面や仕様書の共有、日報等の現場帳票や工事写真等いろいろできます。

◆SpiderPlus
https://spider-plus.com/

図面管理や工事写真、書類作成等ができるアプリです。拡張機能も豊富で、計測器との連携もできます。上記のeYachoとの連携や大成建設のX-grabとも連携ができます。

◆ANDPAD
https://page.andpad.jp/

写真や図面、工程表作成といった現場での施工管理支援もできますが、営業の受注管理や、売上・原価管理といった他の業務もできるのが特徴です。

◆KANNA
https://lp.kanna4u.com/

図面の共有や写真管理はもちろん、複数現場の案件管理ができるのが特徴です。オプション機能を追加することで、さらにいろいろなことができるようです。

◆ダンドリワーク
https://dandori-work.com/

写真管理、資料共有、掲示板といった基本機能に工程表や報告書作成、受発注、検査といったオプション機能が追加で利用できます。元請と協力業者との連携ができるサービスです。

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