施工管理アプリ・サービス(その4)

今回も、施工管理ソフト・サービスについて、お話します。

前回までは、全体的な話をしていましたが、今回は写真管理を中心にお話をします。

工事写真撮影のポイント

民間工事でも公共工事でも施工写真は重要です。特に施工後に外部から確認できなくなるような鉄筋や配管、確認がしづらい地下や床下の構築物は完成写真をしっかりと撮りたいものです。

また、完成写真だけでなく、施工状況や安全管理、使用材料、品質管理、出来形管理など後からトラブルにならないためにきちんと記録を取ることはとても大事です。一般的に公共工事にそれなりの規模の工事を経験している企業は写真管理に対して経験があるため、どんな写真をとるべきかはイメージできるようですが、民間工事が中心な企業だとこの点が少し不足しているようです。

写真管理基準とデジタル写真管理情報基準

もし、お時間があるようでしたら、一度、写真管理基準の撮影頻度のところを見ると民間工事でも参考になると思います。なお、写真管理基準とデジタル写真管理情報基準は別物です。写真管理基準はフィルム写真を含めた写真撮影の頻度や方法を記載したものであり、デジタル写真管理情報基準は電子納品のためのフォルダ作成やファイル形式、管理ファイルの作成方法等を記載したものです。民間工事でも参考にする場合は写真管理基準をみてください。国土交通省のものでもいいですし、地方公共団体のものでもいいです。

おまけの話ですが、完成後測定可能な出来形や監督員が段階確認した出来形、公的機関の品質証明がある場合の品質管理の写真は省略できるようになっています。デジタルと言っても量が多いのは、管理が大変ですし、撮影負担もゼロではありません。省力化は大切だと思います。

あと、代表写真というのがあります。一般的なものは提出頻度写真といって、撮影箇所や頻度が決まっているものです。それに対して、代表写真は工事の全体概要や施工上重要な箇所を撮影したものです。どれを代表するか迷いそうですが、月1回の施工状況の全景写真や工種ごとで数枚程度が目安だと思います。この辺りは発注者と相談してきめましょう。

電子小黒板と信憑性確認

アプリの機能としては、電子小黒板は必須ですね。デジタル工事写真の小黒板情報電子化として、平成29年から正式に導入された基準で、信憑性確認(改ざん検知機能)を有する製品を利用することが必要です。民間工事では、必須ではないですがあるものを選んでおくと安心だと思います。J-COMSIAという認定団体があるので、そちらに合格したソフトを参照するといいです。

◆蔵衛門
https://www.kuraemon.com/

工事写真を軸に、図面管理やチャット機能がついたサービスです。一人だと無料で始めることができるので、とりあえず試したいという方にはお勧めです。

◆Photoruction
https://www.photoruction.com/

こちらも工事写真を軸に図面や工程表、書類の共有ができます。大手ゼネコンも利用実績があるとのことです。価格は初期費用が無料で、利用者に応じた料金体系のようです。

◆電子小黒板PhotoManager
https://www.wise.co.jp/quickproject/pmm/

工事写真撮影に特化したアプリです。これとPhotoManagerを組み合わせことで写真管理ができます。機能が絞られている分、迷うことは少ないと思います。無料なのもありがたいです。

◆現場DEカメラ
https://www.genba21.com/genbadecamera/

電子納品ソフト、現場編集長CalsMasterを提供する工事写真特化アプリです。LITEは無料ですが、改ざん検知がないので、公共工事の場合はPro(3000円)を選んでください。

◆SiteBox
https://www.kentem.jp/product-service/sitebox/

施工管理ソフトのデキスパートを提供する建設システムの工事写真撮影に特化したアプリです。写管屋クラウドと連携することで写真管理ができます。

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