今回も、施工管理ソフト・サービスについて、お話します。
前回は、サービスの料金体系のお話をしました。払い切り型の固定定額もあれば、月額定額、ID課金従量制といったパターンを説明しましたが、組み合わせの料金体系もあります。
費用対効果を確認するには
また、初期費用が結構するものもあるので、初期費用+3年から5年のトータルコストで検討してくださいとお話しました。しかし、費用対効果は見えにくいものです。
費用対効果を感じるためには、多くのサービスにある無料体験を有効に活用することが重要です。そこで気を付けることが2点あります。
無料体験の留意事項1(サービス内容)
1つは、サービス内容に注意です。無料体験のサービスは中級もしくは最上級のサービスが提供されているケースがあるので、体験期間が終わって下級サービスを選択したら、自分が使いたい機能がなかったというような場合があります。
あらかじめ、検討しているサービスの範囲を確認して、無料体験を利用中も対象サービスに限定して、利用することを心がけてください。
無料体験の留意事項(事前準備)
もう一つは体験前の準備です。無料体験の期間を有効活用するために、準備をしっかりしてください。無料体験の期間は多くは1ヶ月程度です。業務を行いながら、新しいことにチャレンジすることはとても大変です。
便利そうだから、ちょっと使ってみようか程度では、機能が業務で活かせるかを確認するまでもなく、初期設定と機能確認程度で、1ヶ月がすぐ終わります。事前にサービスをしっかり調べておき、自分がやりたいことを整理しておきます。さらに、初期設定に必要だろうデータを準備して、できれば、複数の人を巻き込んで役割分担(現場の人、内業の人、管理の人)を決めたうえで試行を行いましょう。
理想を言えば、実際の業務で試すことが一番ですが、できない場合は架空の現場を想定して、機能やサービス内容を確かめてみてください。一人で確かめるより、複数人で確かめる方がいろいろな視点でサービスを評価できますし、ITの得手不得手の影響も把握することが出来ます。
「そうはいっても、施工管理アプリなんて、触ったことないからどうしていいのかわからないんだけど」という方には、機能は少ないかもしれませんが、少人数で無料でずっと使えるサービスがあります。
最初はこのようなサービスから初めて、施工管理アプリで何ができて、どんなことが便利になるのか、自社でほしい機能はどんなものがあるのかを把握してください。いろいろ見えてくると思います。
◆Kizuku
https://www.ctx.co.jp/kizuku2_pr/index.html
初期費用+規模別月額のサービスです。トーク、図面・写真共有、案件管理、スケジュール管理ができます。特徴は入退場管理で、建設キャリアアップシステムと連携できるようです。
◆SITE
https://www.conit.site/
案件情報、ドキュメント、図面描画、写真管理、顧客管理、協力会社管理等の案件管理、チャットを含む情報共有、タスクを含むスケジュール管理ができる現場向けのサービスです。
◆AnyOne
https://www.any-one.jp/
工務店向け基幹システムのWebサービスです。工事・施工管理、見積・実行予算、顧客管理、入出金管理、アフター管理と一通りのサービスがそろっています。
◆Craft Bank Office
https://corp.craft-bank.com/cbo
専門工事会社向けと銘打ったサービスです。日報作成や勤怠・入退場管理、工程管理といった現場向けだけでなく、見積書作成、請求書作成、給与計算、経営レポートと内勤、経営者向けのサービスもあります。
◆現場クラウドOne
https://gcloud.genbasupport.com/
公共工事での受発注者間工事情報共有システムとして利用できるサービスでNETISにも登録されています。オプションで遠隔臨場や3次元データ閲覧にも対応しています。