インフラツーリズムってご存知ですか?infrastructure tourismから作った和製英語で、主に公共施設や土木景観を観光する意味です。
従来は黒部ダムのような開発当初から観光旅行や社会科見学を意図していた完成後の見学だったのが、橋梁や道路の構造美から見学を意図していない公共施設の見学や施工中の現場見学も含まれています。また、いくつかの施設と周辺観光を含めた民間旅行会社のツアー企画もインフラツーリズムに含まれます。なお、民間工場や古い産業遺産と呼ばれるものも含むと産業観光と呼びます。
さて、見る側からすれば、日頃見ることができない施設の中や開通前の道路、現場の施工状況などを見ることができて楽しいですが、開催側からするとみられるはずのない関係者以外から見られるのはいい意味で刺激になります。
特に現場見学などは自社の技術力の紹介だけでなく、品質、安全、環境への配慮といった自社のCSR(企業の社会的責任)を果たすにはいいきっかけになります。もちろん、準備は大変ですし、いつも以上に品質、安全、工期にも気を付けることになります。ただし、現場がキレイになり、職人さんも含む現場関係者の動きが「見られている」ことで一つ上になる気がします。可能であればぜひ自分の現場の見学会を検討しましょう。
元の会社の後輩が考えた現場標語で「見られるから見せるへ」という言葉がすごく気に入っています。見学を開催しなくてもいつでも見せる現場にするのはとても大切だと思います。どんな見せ方をすればいいかはインフラツーリズムに参加すればすぐわかります。
勉強になりますよ。
2020年に100万人の来訪者を目標に国土交通省の動きからもこれから注目度は上がってくると思います。
◆インフラツーリズム ポータルサイト
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/infratourism/index.html
国土交通省のインフラツーリズムのリンク集といったところでしょうか。現場見学と民間ツアーの両方を紹介しています。パネルコーナーは1枚のPDFで施設紹介をしています。現場見学の資料作成に参考になると思います。また、リンクから飛べる東北地方整備局が作られているサイトも見ごたえがあります。
◆インフラツーリズム 水資源公団
https://www.water.go.jp/honsya/honsya/torikumi/tourism/index.html
インフラツーリズムの認知度が向上したきっかけの一つである「ダムカード」(トレーディングカードのサイズでダムを紹介しているカード型のパンフレット)が掲載されています。
◆インフラツーリズムのさらなる拡大に向けて!
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo03_hh_000215.html
国土交通省の拡大施策です。ページ下部の添付資料を見ると今後の施策概要がわかります。インフラツーリズムの概要を知るにも「インフラツーリズム拡大の手引き~試行版~」はお勧めです。
◆インフラ旅
https://it-s.shop/
インフラツーリズムも旅行ツアーのように紹介しているサイトです。丁寧なつくりなので、初心者の方でもわかりやすいと思います。国土交通省のサイトがちょっと苦手という方はこちらをどうぞ
◆土木ウォッチング
https://www.doboku-watching.com/index.html
東京都市大学の名誉教授が運営されているサイトです。いろいろな土木構造物を紹介しています。特別企画の土木夜景はなかなか綺麗ですよ。