前回のデスクトップに続いて、今回はノートパソコンの選び方についてお話します。
デスクトップ選びのポイントとして、価格、画面サイズ、拡張性をあげました。
ノートの場合は、価格、バッテリー容量、可搬性がポイントです。
まず、価格は、基本的にデスクトップより高価格です。部品の小型化やデスクトップにはない機能(バッテリー、PCカードスロット等)をつんでいるからです。
とはいえ、基本機能のみであれば10万円を切る製品が、直販店を中心に販売されています。ご自身でアプリケーションソフトを導入できる方は、選択肢として考えてもよいでしょう。
そうでなく、事前に一通り入っているものをご希望の場合は、20万円弱ぐらいの製品がお勧め。この価格帯のものには、ノートパソコンの入門機が多いといえます。前にも触れましたが、20万円以下なら一括償却資産の対象となり、3年償却が可能です。パソコンの進化から考えると、この期間はちょうどよいと思われます。
次にバッテリー容量です。実際には、バッテリーでの駆動時間が目安です。昔はテスト環境がバラバラで、カタログ記載の数値よりも短い時間でバッテリー切れがありました。しかし最近は、JEITAバッテリー動作測定法で統一された時間になっているので、おおよそカタログの時間まで持つようです。ただし、CPUやメモリを多く使うソフト(例えばCADソフト)に対しては、バッテリーのもちが確実に悪くなりますからご注意ください。
目安としては2時間ぐらいでしょう。ちょっとした会議や講演会なら、バッテリーだけで作業できるということです。最近のパソコンですと、ほとんどがこの2時間はクリアしています。中には7時間、8時間と、勤務時間中バッテリーだけで動作できるものがありますが、駆動時間を延ばすためにCPUパワーが抑えられているものも多いようです。携帯性を重視しなければ、あまり長時間である必要はないでしょう。
最後に可搬性です。いつも持ち運ぶのであれば、総重量が2kg以下がお勧めです。1kg未満のパソコンもありますが、値段が高いのが難点。おおよそノートパソコンは、2kg以下の携帯重視タイプと4kg以下の性能重視タイプに分かれているようです。現場事務所での使用が中心であれば、性能重視型を選ぶほうがよいでしょう。
ノートパソコンのメリットは、バッテリー駆動と可搬性です。
現場では、突然の停電に対応できるだけでなく、不安定な電源供給(発電機等)にも有効です。現場では、このメリットは大変大きいでしょう。また、盗難防止や現場・事務所間での持ち運びにおいても、ノートパソコンのメリットが生かされます。大規模現場あるいは市街地にあるマンション等の一室を借りた現場事務所でない限りは、電力供給や盗難防止を考慮し、ノートパソコン導入をお勧めします。また、現場と本社間で持ち運ぶならば、ノートパソコンしか選択できません。
いっぽう、ノートパソコンのデメリットは性能と拡張性です。ノートパソコンの価格から5万円?10万円引いた価格で、同じ性能のデスクトップを購入できます。逆に言うと、同価格ならデスクトップのほうが高性能なのです。
また、最近はUSB(略語参照)による外付け周辺機器により、様々なものが簡単に装着できるようにはなりましたが、周辺機器を内蔵したり、CPUやハードディスクを拡張できるデスクトップには勝てません。大容量の動画やCADデータを取り扱う場合なら、1台はデスクトップにするのもよいと思います。
電子納品を意識した現場でのパソコン構成は、デスクトップ1台+ノートを人数分用意し、デスクトップにはUPS(無停電装置)を接続しておくスタイルが理想的でしょう。