前回に引き続き、ノートパソコンの選び方を紹介します。前回はUSBハブと電源、パソコンケースといった周辺機器でした。
今回は営業や外出先で少しでも操作性を高めたいという際にお勧めのモバイルディスプレイについてお話します。ディスプレイのところで解説できなかった話を中心に行います。
モバイルディスプレイのサイズ、解像度
モバイルディスプレイは、メイン画面と別に2画面目を必要とする場合に使います。基本的にはメイン画面と同じサイズ、解像度のものを選ぶことをお勧めしますが、用途によっては少し大きめという場合もあります。
基本的な使い方の場合、2つの画面に別のソフト(表計算とCADとか、Web画面と文書)といったパターンが多いと思います。この場合は、同じサイズ、解像度がいいです。理由はカーソルを移動させたときにサイズや解像度が違うと移動しにくかったり、マウスを見失ったりするからです。
それとは別にメイン画面と同じ画面を営業担当と顧客だったり、監督と職人さんで見る場合は、大きい画面のほうが相手は見やすいと思います。特に数人でも複数の方が閲覧する場合は画面が大きいといいです。このような利用が多い場合は、視野角が大きなディスプレイ(斜めから除いても見れる)を選んでください。利用用途に応じてサイズと解像度を決めましょう。
電源供給と映像信号のケーブル
あとは電源供給と映像信号をどのように流すかによってケーブル本数が変わります。最近のパソコンだと、USB-Cの端子がディスプレイ出力と電源供給の両方に対応していることがあります。このような場合は、1つのUSBケーブルで電源供給と映像信号を送れるので、とても楽です。
もちろん、モバイルディスプレイ側も対応している必要があるので、ご自身のパソコンとディスプレイの双方の仕様を確認するようにしてください。電源供給はUSB Power Deliveryという規格、映像信号はDisplayPort Alt Modeという規格に対応していればOKです。
これ以外でケーブル一本でつなぐ方法として、バッテリーを搭載したモバイルディスプレイもあります。こちらは古いパソコンでも問題ないので、重さは気にしないから1本でつなぎたいという方はご検討ください。
それ以外は電源供給と映像信号を2本のケーブルでつなぐことになります。こちらもパソコン側のUSBの仕様で電源供給が多い場合は、電源供給をUSB、映像信号をHDMIでパソコンとディスプレイをつなぐことで映すことができます。
電源がないところでも利用できますが、パソコンのバッテリー消費が早くなるので注意してください。対策として、モバイルディスプレイ側だけモバイルバッテリーで対応することでパソコン側の負担がなくなるので長持ちします。(この場合はバッテリー内蔵型モバイルディスプレイのほうがお勧めです)
iPadをディスプレイ代わりに
「iPadを現場で使っていてノートパソコンがあるけど」という場合はiPadをモバイルディスプレイ代わりにつかうこともできます。
iPad Proの場合は、iOS17にバージョンアップすることで、UVCという仕様が使えるようになります。これで、USB-CとHDMIのケーブルと専用アプリ(無料もあります)を使うことでiPadをモバイルディスプレイ代わりに使うことができます。
とはいえ、多くの場合はiPadだと思うので、その場合は、有料ソフトとlightning-USBケーブルを利用します。有料ソフトはいろいろあるようですが、「Duet Display」が人気があります。ケーブルをつないでソフトを起動するとディスプレイの設定ができます。同じ画面でも拡張画面でもできるので、便利です。
モバイルディスプレイはそれ以外にも、変換ケーブルを使って、スマホの画面を表示することも可能です。パソコンがないときやあるけど調子の悪いとき、スマホにしかないアプリを大きな画面で見たい場合は役に立ちます。1台あると便利です。