今回もパソコンの選び方の番外編として、ディスプレイ(モニタ)の選び方に関するポイントを紹介します。
前回は画質に関する項目として
(1) 画面解像度
(2) 色深度
(3) 色域
(4) 輝度
についてお話ししました。最近のディスプレイは単に4Kといった表示できる点の数(画素数)が増えるだけでなく、色の種類や範囲、明るさが変わってきていることがわかっていただけたと思います。
少し脱線しますが、4Kでよく相談がある内容なのでここでお話ししておきますが、テレビの4K放送は2018年12月1日から始まっています。しかし、これらはあくまでBS放送、CS放送だけです。さらに8K放送に関してはNHKのみです。地上デジタルはしばらくは今のままだと言われています。もちろん、BS、CSの従来のフルHD(2K)は今まで通り見れますので、アナログ放送からデジタル放送に代わった時のような問題(映らない)はありません。オリンピックを精細にみたいのでもなければ、すぐに買換えは不要です。
また、4K放送を見るためには画面だけでなく、チューナーやアンテナ等の受信設備も変える必要があります。フレッツテレビのようなネットを介しての受信ならそこまでの準備は不要ですが、いずれにしても画面だけ変えれば何とかなるものではないです。
さらに最近のテレビに関しては、4K対応テレビという表現で画面は4Kだけど、4Kチューナーは搭載してないので、すぐには見れないよという困ったタイプのものが売られています。BS/CSをあまり見ないが画面はきれいな方がいいという人向けです。ちゃんと4K放送を見たい人はチューナー内蔵かどうかをよく確認して購入してください。
撮影環境はそれなりに4Kに移行していますが、放送設備を4Kにするのは大変なので、しばらくは地上波の4K移行は難しいかもしれませんね。
話をもとに戻します。動画である以上画質だけでなく、表示速度も重要です。こちらも変わってきています。
(5) 応答速度・リフレッシュレート(フレームレート)
直接色には関係ないのですが、動画やゲームなどで重要な応答速度やリフレッシュレートも規格に関係するのでまとめて話しておきます。
まずは応答速度です。応答速度とは白から黒、黒から白にかわる速度のことでms(ミリ秒)で表します。少ないほど残像が残らないので見やすいです。最新のディスプレイでは1msのものがあります。また、その表現の横にGtoGという記載があるときはGlay to Glay、つまり、中間色の変化のスピードを表しています。両方の数字が少ないほどよりいいです。
フレームレートとは単位時間あたりに処理する静止画像数(コマ数、フレーム数とも呼ぶ)のことをいい、1秒当たりの数値で示します。fpsという単位で呼びます。一方、リフレッシュレートは単位時間あたりに画面を書き直す回数をいい、周波数の単位であるHzが使われています。フレームレートはどちらかというとソフト側もしくはパソコン、ビデオカードといった動画を作る側のハードに対するもので、リフレッシュレートがハードの中でも表示機器側の表現なのですが、混同して使われていることが多いです。モニターいうとリフレッシュレートとして、120Hzと表示されていながら、フレームレートと表現されていることがあります。プログレッシブ(連続的な)スキャンであれば、フレームレートとリフレッシュレートは同じなので余計に混乱するかもしれません。
120Hzは1秒間に120回の書き換えが可能であるという意味です。一般的には60Hzが標準で、ゲーム用で240Hzのものも増えてきています。速いほど動きは滑らかに見えますが、パソコン側の性能に影響されるので、ディスプレイだけでなく、ビデオカードも交換する必要が出てきます。これは画素数や画質向上でも同じことで、いい画質、たくさんの画素数はそれだけ表示できる能力を持ったビデオカードが必要となります。
ちなみに前回お話しの出たHDRでは、120p(pはプログレッシブ)という120Hzの規定もされています。
実はゲーム以外でも建設業界でリフレッシュレートが早い方がいいものがあります。それが三次元CADです。三次元DCADは操作上、三次元の立体をぐるぐる回して動かすことで作業を行います。結果として、その動きを円滑に見るには3Dゲームをやっていることとほぼ同じ状況になるからです。
まだ三次元CADは建設業全体では主流とまではいきませんが作る側ではなく見る側だけなら確実に浸透していくと思います。取引先が大手ならばその点も考慮しておくことをお勧めします。