Windows10時代のメインメモリ(その2)

今回もWindows10利用時のメインメモリについてお話しします。

前回はWindows10には32bitと64bitがあり、32bitでは4GB以上はメインメモリとしては利用できない話をしました。(昔はあまったメモリ部分をRAMディスクとして利用することもありましたが、今はあまり見かけません)

さて、新しくパソコンを買う時には容量だけを注意すればいいのですが、今お使いのパソコンの性能向上のためにメモリ増設をするにはいくつかのステップが必要です。

まずは、OSのbitを確認する必要があります。そして、今後のことを考えると64bitへの移行がお勧めです。さらに、メモリには規格やサイズに種類があり、お使いのパソコンにあったメモリを選ぶ必要があります。今回はここをお話しします。

まずパソコンのメモリは「DDR SDRAM」という規格が一般的です。2000年以降のパソコンはほぼこの規格といってもいいと思います。ただし、この中にも細かい分類があります。容量や速度によって規格がバージョンアップしており、DDR,DDR2,DDR3,DDR4といった感じで世代交代を行っています。ちなみに2020年現在はDDR5という規格も出ていますが、サポートするパソコンは2021年以降になりそうです。

残念なことにDDR4とDDR3は互換性がありません。ピンのサイズや端子部分の形状も異なるので、新しいものを買えばいいというわけではありません。そのパソコンにあったものを買う必要があります。おおよその目安になりますが、2015年以前ならDDR3、それ以降ならDDR4の可能性があります。あと最大メモリ容量もあります。古いパソコンはそれほど大きな容量のメモリを指すことはできません。ただしくはカタログやマニュアルを確認してください。

さらに規格として速度が加わります。例えば、DDR4-2666はメモリクロック166MHz、バスクロック1333MHzです。メモリクロックはメモリの周波数で、バスクロックがCPUとメモリをつなぐ速度でちょうどメモリクロックの8倍です。さらにメモリ転送速度は1回のクロックで2つ送れるので、データ転送速度は2666MHzとなります。これがチップ規格の2666を表します。ちなみにこれ以外にもモジュール規格という名前でDDR4-2666をPC4-21333と呼ぶ場合もあります。こちらは転送速度をMB/秒であらすため、2666の8倍(正確には64bt÷8bit/Byteで8倍)で21333MB/秒のデータを送れることからこの名前になっています。計算式さえわかれば簡単にわかります。

さて、同じDDR4なら早ければいいというものではありません。性能は確かに早い方がいいのですが、マザーボードと呼ばれる本体の設定がDDR4-2666ならば、DDR4-3200を指してもDDR4-2666でしか機能しません。速いものは高いので、設定にあったものを購入することをお勧めします。

また、サイズが2種類あります。デスクトップパソコンはDIMM規格でノートパソコンはSO-DIMM規格です。SOはSmall Outlineの略で要は同じチップ規格でもサイズが小さいです。購入の際にはこちらも間違えないようにしてください。ノートPC用メモリと書かれている場合もあります。

最後に最近のマザーボードはデュアルチャンネルの仕様になっているものが多いです。これは同じ規格・容量のメモリを二枚同時に使用することで、転送速度をさらにアップさせる仕様です。平たく言うと増設する際に2枚同時に購入したほうがいいときもあるということです。例えば、2GBのメインメモリなら4GBを1枚増やすより。いっそ4GB2枚を入れ替えるほうが単に2GB多い以上の効果が出る場合があるということです。予算との関係で、難しいかもしれませんが、ぜひ検討してください。

逆にノートパソコンによっては空きスロットがないとかそもそも増設不可(オンボード)というのもあります。空きスロットがないものは今のメモリと入れ替えになるので単なる増設ではなく交換分のメモリ容量を間違えないでください。こちらもカタログやマニュアルに記載してあります。

いろいろお話ししましたがメモリ増設はカタログやマニュアルを見て、チップ規格とサイズ、最大メモリ容量を確認してから購入することを忘れないでください。

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