今回も施工管理アプリ・サービスから派生して建設資格・実績管理アプリ・サービスについて、お話します。
前回は資格を中心にお話しましたが、工事実績も重要です。企業はもちろんですが、社員の実績管理も重要です。また、社員教育や実務経験によるスキル評価も必要ですが、なかなか単一企業だけでは難しいのが実情です。
CCUS(建設キャリアアップシステム)
そこで登場したのが、CCUS(Construcion Career Up System)、建設キャリアップシステムです。資格管理はもちろん、講習等の受講履歴も記録します。また、どの現場のどの職種のどのような立場で働いたのかを就業履歴として記録をすることで、技能者の実務能力をはかります。
技能者能力評価については、評価基準に合わせてカードが発行されます。初級から順に、白色、青色、銀色、金色の4段階で就業日数や保有資格、職長経験等を評価して発行されます。
現場の職人さんが対象なので、現場監督や運転手、警備員等は対象外です。事業者は法人だけでなく、個人事業主、一人親方まで対象になります。
さらにシステムには建退共(建設業退職金制度)との連携や社会保険の加入有無など把握できる仕組みがあり、建設業全体の職場環境向上にも寄与する仕組みとなっています。公共工事で必須の経営審査事項や入札参加資格、工事成績評定では加点対象となるので、公共工事が中心の企業は利用するメリットは大きいと思います。
とはいえ、2024年7月時点で27万社が登録していますが、建設業許可業者数は48万社なので、6割に届かない状況です。理由は費用面と技能者登録を含む管理面の問題があるようです。
費用は5年に一度の事業者登録が資本金によりことなりますが、1000万円だと24000円、技能者登録(カード発行)が簡易版で2500円(10年間有効)。これが最初にかかります。運用としては管理者IDが年間11400円。現場利用料が1回一人10円となります。人数が多い企業は年間金額が大きくなります。例えば、年間250回×10円×30人で75000円です。
2023年に国土交通省が原則義務化との話も出ていましたが、民間発注も含めて、完全義務化ではないため、もう少し普及には時間がかかりそうです。
◆建設キャリアアップシステム
https://www.ccus.jp/
建設キャリアアップシステムの公式サイトです。各種資料でパンフレットや詳細な登録資料、現場運用マニュアル等があるので、参考にしてください。
◆建設キャリアアップシステム 国土交通省ポータルサイト
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000033.html
建設キャリアアップシステムの概要や公共工事でのインセンティブ(メリット)、現場利用の手引き等が掲載されています。R6年度からのCCUS利用拡大ロードマップもあります。
◆CCUSの概要説明
https://www.youtube.com/playlist?list=PL6ulW7qKJ8IpfPRT8WD9Nu6-bAl1IYIz1
建設業振興基金が提供する建設キャリアアップシステムのYouTubeのリストです。動画で概要を知りたい方はこちらのリストからいくつか見ると全体像を把握しやすいです。
◆建設キャリアアップシステム処遇改善推進中部協議会
https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/03_ccuskyougikai.html
国土交通省中部地方整備局のサイトです。第3回の資料1-1に建設キャリアアップシステムの現状や推進内容がまとめてあります。今後の話が気になる方は見てください。
◆建設キャリアアップシステム 導入・運用サポート
https://first-corporation.co.jp/ccus-01/
株式会社FIRSTの建設キャリアアップシステムのサイトです。コラムのページにいろいろな角度から建設キャリアアップシステムのわかりやすい紹介をしているので、お勧めです。