今回は施工管理アプリ・サービスから派生して建設業業務全体で利用するアプリ・サービスについて、お話します。
営業・現業・内業
建設業の管理業務は主に、現場と内業に分かれます。現場では準備から竣工までの間にQCDSE(品質、原価、工期、安全、環境)のそれぞれの施工管理を行うための様々な業務があります。内業は営業から引渡しまでの間に積算、見積、契約、検査、請求といった主に施主とのお金・契約関係を中心に、現場の進捗確認や内部監査、安全巡回といった管理の業務があります。
小規模な企業の場合、営工一貫といって、営業して受注した仕事の工事管理も行い、引渡し、請求までも一人の担当者が行う場合がありますが、多くの場合は営業と工事は担当者が分かれている営工分離です。
営業と工事の情報共有
そのために、工事開始前に営業担当から工事担当へ工事に関する情報を伝達し、工事終了後に工事担当から営業担当へ建物に関する情報を伝達する必要があります。ここで漏れがあるとトラブルになることが多いのはいうまでもありません。
一般的にはこの部分だけをITで対策する場合はビジネスチャットやグループウェアを利用することが多いです。営業と現場との情報共有だけであれば、十分に機能します。
ただし、営業記録から見積書、契約までの案件管理、施工管理、協力業者管理、竣工後の請求・入金管理とお金関連、人的関連まで管理しようとすると情報量が膨大です。ビジネスチャットツールだけでは対応できません。
全体業務の情報共有を実現するには
また、営業・現業・内業の一元管理は情報の分断がなくなり、業務が円滑に行えるためとてもいいのですが、準備すべきマスタが多いことや常に最新の情報を維持管理するための業務上の工夫など、会社全体で取り組む必要があります。もちろん、導入だけでなく、運用保守を一定レベルに維持する必要があります。
とはいえ、社長が旗振り役となり、全社一丸として頑張れば、費用対効果は大きいです。今回はそんな企業が利用できる全体的な業務管理が行えるアプリ・サービスを紹介します。
◆アイピア
https://aippearnet.com/
リフォーム・工務店向けの全体管理システムです。顧客管理、見積、契約、予算、工程管理、日報管理、発注管理と全体業務の管理だけでなく、分析もできるようです。多機能ですね。
◆建設幕僚IV
https://www.megacosmo.co.jp/basic/kensetsu.html
少し規模の大きい建設会社での営業部、工事部、経理部の業務を一元的に管理できる建設業での基幹業務管理システムです。引合いから見積、受注、工程、外注・仕入、原価、債権・債務、入金消込など広い業務をカバーしています。
◆現場へGO!
https://genbago.com/
Salesforce上で動く統合型アプリです。Salesforceの開発環境で作られているので、業務管理はもちろん、レポートやダッシュボードでの管理は便利そうです。Chatterとの連携もできるようです。
◆工事の匠
https://www.systems.nakashima.co.jp/setsubi/koujinotakumi/
お客様の情報から工事の情報まで業務情報を一元的に管理するための建築・設備向けのシステムです。年賀状が出せたり、図面のPDF化、CADビューワーといったありがたい機能のついています。
◆工務店クラウドEX
https://www.kensetsu-cloud.jp/komutenex/
地域工務店向けの全体管理システムです。顧客管理、見積、工程、実行予算、仕入・支払、請求・入金といった一通りの業務管理にアフターサービスの管理もできるのが特徴です。