今回も、社内での知識を収集し、情報共有するための仕組みの一つである社内Wikiツールを紹介します。
前回は社内Wikiの機能概要を説明しましたが、今回はもう少し具体的に利用内容や注意点を説明します。
社内Wikiの用途
まずは何に使うかですか、多くは業務手順や基準、プロジェクトがあれば、議事録や成果品掲載に使っています。特に担当者が質問が多くて困るような手順や新入社員や異動した社員が最初に知るべき部署のルールといったものを掲載することで担当者の負担を減らすとともに部署の暗黙の了解を明文化して、ルールのバラツキをなくすこともできます。
とりあえず、書くのであればメモ帳のように書けますし、他の人がミスに気づいたら、その気づいた人が修正できるので、より精度の高い内容になります。
内容が充実してくれば、そこを見れば何とかなるかもと思い、閲覧し足りなければ足すといったプラスの循環が回ってくれば大成功です。ベテランさんのノウハウは言葉にするのは難しいというのであれば、動画で掲載しましょう。
成功のための準備
とはいえ、この大成功になるための準備は必要です。まずはある程度の情報が集まるまで意図的にコンテンツ(掲載内容)を入れておく必要があります。見栄えの良い立派なもののほうが受けはいいですが、皆さんが書きにくいです。簡単なものも含めていろいろなタイプの掲載を準備しましょう。
また、内容の精査や不要な言葉の削除、掲載したい種類の制限、書き方の作法といった運用のためのチームとルールは不可欠です。本物のWikiPedia でもたくさんの人が運用にたずさわっているそうです。
さらに、利用するメリットはあっても掲載するメリットがなければ、仕事の合間を縫って記載してくれることはありません。書き込んでくれた人に対して、何らかの報酬や感謝の気持ちを伝える手段などを用意できるとよりいいです。実際は最初のうち、少し強制的に記載させることも必要かもしれません。
ナレッジマネジメント系は利用者側への利用促進も大事ですが、作成者側が発信したいと思う仕組みを作ることが肝要です。情報が集まれば、見る人はある程度までは増えていきます。運用をいかにしっかり行うかがカギになります。頑張りましょう。
◆Microsoft Loop
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-loop
マイクロソフトのドキュメントアプリです。前回紹介したNotionを意識した感じです。まだ、正式リリースではないようですが、マイクロソフトアカウントでサインインすれば使えます。
◆Googleサイト
https://sites.google.com/
GoogleのWebサイト作成ツールですが、管理で特定の人だけ閲覧できる設定に変更することで社内Wikiにも利用できます。Googleのアカウントを持っている人が多いのであれば、こちらも選択肢になると思います。
◆PukiWiki
https://pukiwiki.osdn.jp/
社内Wikiを社内サーバーで作りたい方にお勧めです。日本発のオープンソースソフトで、PHPで作られていて、データベースが不要なので、比較的構築しやすいです。
◆DokuWiki
https://www.dokuwiki.org/ja:dokuwiki
こちらも社内サーバーで作るタイプです。Andreas Gohr氏が開発し、PHPで書かれていることや50以上の言語に対応しているから海外で認知度が高いです。
◆Knowledge
https://information-knowledge.support-project.org/ja/
こちらもオープンソースの情報共有サービスです。こちらはJAVAで動いており、データベースPostgreSQLに対応しています。インストールまでしていませんが、使いやすそうです。